経営事項審査を受けるだけでよい時代は終わる!

先日とある建設業者さんとお話をしたのですが、小さな市町村の入札参加のために、経審を受審される業者さんで、点数にとてもこだわる所はあまりないような気がします。
というのも、「受けさえしとけばいいんだよ。受審しときさえすれば入札参加できる!」とおっしゃる所が多いのです。そういう風に市町村が言ってるわけではないと思うのですが、県発注の公共工事ほどランク付けされて厳しく指名業者を選定される・・・という状況に、まだ至っていない感じです。
ですが、下記の引用記事からも見て取れるように、今後は早い時期に、小さな市町村も、国・県の公共工事の基準に準じていくのではないかと思います。

入札参加有資格者名簿-市区町村の1割が作成せず/ランク付け実施も促す/国交省
 公共工事の発注機関がその機関での入札参加資格を持つ建設業者などを登載した「有資格者名簿」を、全国の市区町村(政令市を除く)の約1割に当たる212自治体が作成していない実態が、国土交通省の調査で分かった。有資格業者のランク(順位)付けを行っていない自治体は、名簿を作成している自治体も含め約15%の256自治体に上った。国や、都道府県・政令市などの大規模自治体はいずれも、名簿作成と業者のランク付けを行っており、同省は市区町村にも今後、同様の取り組みを促す。名簿を作成していても登録業者を経営事項審査(経審)の評点(客観点)だけで評価している自治体も多く、同省は市区町村向けの主観点評価マニュアルを08年度上半期にも作成する方針だ。
 同省の調べによると、政令市を除く全国1810市区町村のうち、有資格者名簿を自ら作成していたのは1550自治体。48自治体は他の発注機関の名簿をベースに主観点を加減点して作成していた。作成していなかった212自治体のうち115自治体は、入札の際は他の発注機関の名簿をそのまま利用、97自治体は他機関の名簿も利用していなかった。名簿を作成していない212自治体を含めた256自治体が業者の順位付けをしておらず、作成している自治体でも、4割近い717自治体は客観点だけで業者を評価、ランク付けしていた。
 同省は、経審の審査基準が08年度に一新されるのに加え、各発注機関の次期(09・10年度)入札参加登録が08年度下半期にも行われることから、市区町村向けに主観点評価の採用を促すとともに、採点方法のマニュアルを早急に作成する考えだ。
 公共工事の発注機関の多くは、2年に1度、有資格者名簿を作成して、登録業者を格付けしている。国交省直轄工事の場合、経審の評定値を利用する客観点数と、独自に建設業者を採点した主観点数を、ほぼ1対1の割合で合算し、その総合点をベースに登録業者の順位付けを行っている。ただ、自治体の場合は、主観点評価のウエートが低いのが一般的で、同省は主観点評価の採用を促す際、主観・客観点比率にはこだわらず、主観点を採用してもらうことを当面の目標にする考えだ。
(日刊建設工業新聞記事より)

小さな建設業者さんにとっては、ますます大変な時代になってきたな~という思いがします。
平成20年度からは経審の審査基準が一新されますが、なんだかどんどん複雑になっていく気がします。これを小さな業者さんに自社でやれと言ってもなかなかできる代物ではない気が・・・
これがあるから行政書士の仕事がある。とも取れますが、私が思うに、経審がある理由は、ダメダメな業者を排除し悪質工事を減らすという目的もさることながら、国が手数料と奏して税金を集めたいからに他ならないのでは?・・・と、キツキツの状況で営業されている業者さんを見ると(自分の事務所財政が重なるのか(笑))とても心が苦しくなります。

経営事項審査を受けるだけでよい時代は終わる!」への4件のフィードバック

  1. どうもです^^。まさしくその通りですね。国は仕事をすると手数料=税金(印紙代)とりますね。
    結果がどうであれそういうものですね。

  2. グリーンアイランドさん
    ねぇ~。経審もだんだん大きな会社に有利になっていく気がします。

  3. 自分が仕事で関わっている金融商品取引法も
    そうですが「規制緩和」や「公正競争」の
    お題目を掲げながら実際は大手優遇の処置に
    なっているものが殆どではないかと思います
    報道系の情報番組で面白い事を言っていました
    1人の犯罪者を検挙するには1つの法律が必要だが
    検挙率を100倍にしたいがために法律を100個作る
    結果善良な99人の市民は途方もない不便を強いられる
    しかもその法律は実際殆ど「本来の目的で」
    適用される事はないまま存在し続ける
    いかにも日本的な発想ですよね
    本題とは異なったニュアンスのコメントで済みません

  4. くまのつるさん
    わたしも、全ての決まりごとや法律が、立場や発言力の強い会社・人間に有利に進んで行っているような気がします。
    ガソリンの暫定税率も、当初は「贅沢品」の車所有者に負担がある税だったのでしょうが、今や、地方の裕福でない地域の方が、電車やバスの整備が遅れて車の保有率が高いのに・・・
    誰にも公平な法律や税負担って難しいのでしょうね・・・

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